財神洞は正殿の真後ろに位置し、1981年から掘削工事が始まり、2000年に洞内外の施工と装飾が完了し、現在は凌霄宝殿の1階が入口となっています。洞内に祀られている神明は天官と財神で、それぞれ「天官賜福」「文比財神」「季倫財神」「武明財神」「万山財神」となっています。財神洞の入口には一対の鳳凰と二頭の龍の石柱があり、洞内両脇には金箔の施された石彫が設置され、五路財神を引き立てています。
福徳正殿は財神洞の出口付近に位置しますが、入口前の廊下が關渡宮の駐車場に面し、財神洞は象鼻山を貫通して直接凌霄宝殿や正殿等の中核エリアに到達できることから、關渡宮へと通じる重要な近道の一つとなっています。福徳正殿は土地公を主神として祀り、神像の両脇には石彫りの立像が二体置かれ、「土地公救孝子」(孝行息子を助ける土地公)と「土地公贈銀両」(銀両を贈る土地公)が主題となっています。また、正面の壁にも石彫が施され、殿内には様々で色鮮やかな「藻井」が見られ、「神龕」(神明の安置されている神棚)と壁面は精緻な木彫で構成されています。