延平郡王三将軍廟の祭祀空間は三面の壁からなる「単開間」(単一の入口)の造りで、屋根は「硬山式」を採用し、大棟は上弦の月の曲線を描いて末端は燕尾のようにはね上がり、下がり棟は大棟の両端から「山牆」(屋根に挟まれた三角形の壁面)の端を押さえ、屋根全体に安定感をもたらしています。現在、廟には二門設けられていますが、三将軍殿の管理を關渡宮に委託してから隣の「玉女宮」との間に廟の資産が重複する部分が生じ、後に右側の虎門の空間を玉女宮で管理するようになったため、二門になったと言われています。
ここでは数多くの特殊な装飾が見られ、延平郡王前の二層の金塗りの「花罩」、壁の彩色画、正門は「板門」造りで色鮮やかな門神が描かれています。正門の外には香炉が置かれ、両側には火と煙を好む龍の子の「狻猊」が装飾として施され、参拝者が近距離から観賞できるようになっています。