懐英亭は陳紅英氏を記念して建てられました。陳紅英氏は民国42年(西暦1953年)に關渡宮再建を発起し、『懐英亭重建記』(懐英亭再建記)の中では太っ腹で義理がたく、道路建設や貧困の救済、冬季には米を寄付する等、数々の義行が記され、地域の「大善人」と言われています。懐英亭は凌霄宝殿の右下、二か所に造られ、低い位置にあるものは民国55年に先立って建設され、さらに階段を上った場所には民国90年(西暦2001年)に新築された東屋があります。再建された懐英亭は原木の木目を生かした彫刻で、木材の特徴と彫刻師の熟練した技法が感じられ、神殿の木彫には彩色が施されているのに対して懐英亭の木目の装飾は、ありのままの工芸美術の姿を感じ取ることができます。