鐘楼は正殿の龍の側、鼓楼は正殿の虎の側にあります。元々「暮鼓晨鐘」(暮れの太鼓と早朝の鐘)は仏寺で朝晩の時を知らせる鐘と太鼓を指し、太陽の上る東を「晨」、日の落ちる西を「暮」としていました。その場に身を置いて、早朝の鐘と暮れの太鼓に耳をすまし、木魚と磬子の交じる読経の声を聴いていると、人々の心は浄化され、精神的な励ましと思想上の啓発を受け、社会の人々の間には拘束力としての道徳心が生まれることでしょう。


  •   鐘楼と鼓楼は鉄筋コンクリートとレンガで、二階建ての楼閣造りとなっています。一階には瓦屋根で軒が造られ、二階の屋根と同じような造りになっています。また、一階には参拝者が休憩できるように、座席が用意されています。

      二階の屋根は「重簷攅尖様式」で、「上簷」(上層の屋根)と「下簷」(下層の屋根)に分けられ、「上簷」の頂上には桃の形をした棹が付けられ、青色の屋根瓦と軒平瓦、オレンジ色の瓦当に丸瓦と平瓦が使用されています。下がり棟の上に走獣、「封簷板」(軒下の横長の壁面)には彩色画、「上簷」と「下簷」の間には長方形の壁が六面造られ、各壁の中央に丸く盛り上がった円の中には金龍がとぐろを巻き、上部左右の隅の直角部分にはこうもりが飾られています。「下簷」の屋根は「上簷」の造りと同じで、内部の部屋には鐘楼であれば銅の鐘がぶら下がり、鼓楼であれば太鼓が吊り下げられていますが、実際には使用されず、装飾的役割となっています。