太歳殿は凌霄宝殿の3階に位置し、参拝者の太歳灯点灯を受け付けています。仕切り壁から円柱に至るまで太歳灯が設置され、広々とした空間内に画一的に灯りの海が広がっています。「安太歳」は重要な民俗文化の一つで、十二支にはそれぞれ相対する太歳神がいますが、それぞれの干支の年と自分の生まれの干支が重なった場合もしくは関連する干支がある場合には、「本沖」「対沖」「左右偏沖」と言われ、太歳の怒りに触れて不利益を被る恐れがあり、いわゆる「犯太歳」(厄年)となります。


  •   それに対して「安太歳」は太歳神に参って災いを免れるためのもので、農耕時代には家の中で厄年の太歳神の位牌を祀って朝晩参拝し、長い場合は一年間続けられていました。工業社会の発展に伴い、労働形態と生活のリズムに合わせてより効率的な方法が編み出され、廟で「安太歳」の明かりをともすようになっています。悠久の歴史を持つ關渡宮は参拝者も多いため、凌霄宝殿の3階を太歳殿の空間として設けています。