観音仏祖殿は媽祖殿の左次間に位置し、幅約9メートル、奥行き11メートルほどの空間になっています。神明の前には神卓と八仙卓が一卓ずつ置かれ、神卓には花瓶と供物、八仙卓には幾尊かの神像が祀られ、果物と精進料理のお碗3つと、仏飯の茶碗が置かれています。神明の安座している「神龕」は五角形で後方の壁に沿って置かれ、上部の彫刻は透かし彫りと浮彫りの二種類の技法を用い、柱の接合部には「花籃」(花籠を模した飾り)と「吊筒」(提灯のような造形の飾り)が造られています。媽祖殿のような華やかさはありませんが、控えめな造形の中にも成熟した彫刻技術が見られます。「神龕」の上方には「佛法皈依」(仏法帰依)と書かれたプレートが掲げられ、慈悲深く衆生を救済する観音仏祖の本願を表しています。