關渡宮では毎年二回の礼斗法会が行われ、旧暦3月23日「媽祖生誕」を記念する「春季植安礼斗法会」と、秋の「媽祖成道飛昇礼斗法会」があります。法会は9日間に渡り、期間中は線香が絶えることなく、非常なにぎわいを見せ、關渡宮ではこの時期に本殿で読経して祈祷します。


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  「礼斗」は道教において主要かつ頻繁に利用される法事の一種です。道教の経典『太上玄霊北斗延寿妙経』には、「北辰垂象而眾星拱之,為造物之樞機,作人神之主宰……有迴生注死之功,有消災度厄之力。」と記され、北斗が人間の生死から禍福に至るまで定めていることを表しています。これは、全ての生命には「斗宮」が影響し、人々は星の力に依存するという考え方です。そのため、敬虔な信徒が誠心誠意を込めて「礼斗」を行い、善行を積むことができれば、自然と祝福を受け、長寿や災厄回避が可能であると言われています。

  「斗」は「星斗」のことを指し、「斗内」にともった明かり(「元神灯」と呼ばれる)は、生命そのものを象徴し、十二元神の根源でもあります。「斗」は人の生命の元神であることから、「南斗延壽,北斗解厄」(南斗は延寿、北斗は災厄解消)といった信仰が生まれています。「斗」に参ることは自分の「生命本命元辰」(生命を定める運命の星)へ参ることを意味し、元神の輝きを用いて凶から吉へと導きます。また、儀式の際は必ず専門の道長が執り行います。「斗灯」は祈りを捧げて災厄を解消するための媒介で、魔除けやお祓い、長寿祈願に使用されます。

  春・秋の二回の礼斗法会では、初日の午前中に法師が始まりを告げ、各殿の神前にある斗灯を点灯します。八日目の午後には延寿斗科の儀式が執り行われ、最終日は礼斗法会の円満修了の日として午前10時に玉皇上帝に参拝し、午後2時に火を焚きます。総斗灯は地域住民全体の生命を表し、各斗灯は一家の生命を表し、魔を退け、長寿と平安を求めます。斗長となった者は神の加護を強く受け、幸福と富が約束され、事業は発展し、万事がうまく運び、幸運と平安がもたらされます。